初心を作る事とは
戦前、私の父親は休日になると脚にゲートルを巻き、カメラ(ドイツ製と言っていた)を持って六甲山に行き、通常の2/3位の
時間で登山していたとの事。ある時、神戸は軍港であり砲台もあったので六甲山の登山口に憲兵が立ち、カメラレンズが封印
されてしまい、写真が撮れない様になった。それで登って帰ってくるとまた憲兵がいてレンズの封印切りをしていないか確認
する。ところがその経過時間が普通の2/3であり、「貴様!何をしていた!」と言う事でとっ捕まって往生したとの事でした。
ほどなくして父親も召集令状が来て満州へ渡る事になるのですが、その前にカメラを大阪で売ったら結構な額になり、家族に
渡して出征したとの事でした。あの時、生きて帰れるか分からなかったので売るしかなかったが、勿体無い事したと笑ってい
ました。
【写真は中古カメラアクセサリーとジャンクカメラ 我楽多屋さんより】
さて、なぜにこんな話かと言うと私とカメラ、写真との出会いは小学校5年生位、父親がミノルタの一眼レフカメラのSRT-101
を買ったのがきっかけだったと思います。父親のカメラを恐る恐る触らせて貰う事と、シャッターを切る音を聞くのが心の芯が
痺れる程に好きだった様です。万博も始まる頃、流石に父親のカメラを借りてゆくわけにも行かず、私は新聞配達をして貯めた
お金で上記写真の大沢商会のパックカメラ「ハリーナM1」(当時5千円位)を買って万博に通いました。
今まで私は写真は「風物」として目に入る物を撮影し、デジカメの時代になったらJPEGの撮って出し、良くて多少露出や色温
度を調整したり、トリミングする程度だったのですが、今は時間も沢山できた事だし、写真を目に入る物だけではなく、心象や
技巧も交えた「作品」として取り組んで見たいと思い至り、今更ですがRAWで撮って明室作業をする事を考えておりました。
使うソフトはCanonの付属ソフトであるDPP4.0で十分。アドビのPhotoshopやLightroom、Capture Oneなどが写真界隈では
デフォになっておりますが、何も数万円以上の価格ですので私には敷居が高く、これから勉強しようと思っているので付属のお
まけ(ゼロ円)で十分です。また白黒も銀塩時代は自家現像していましたが、長らくやっていないので、こちらもRAWで撮ってモ
ノクロ現像してみたいと思います。
昔どこかで聞いた話ですが、「今更、初心者には戻れんやろうし、戻ってどないするねん。初心は作る物であってそこに帰るも
のやない」と言う言葉ありました。そこで、私も今更ではありますが、写真の明室現像に取り組んでみたいと思うに至り、解説
書の古本を探して日々取り組もうと思っております。
因みに早いですね。今日で2025年の上半期が終了です。今年も残すは6ヶ月となりました。水泳も3ヶ月が過ぎて今も続いてい
ますので、6ヶ月後の状況が楽しみです。
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