悲しみの春
古い写真の使い回し。セシウム汚染の牛肉について、NHKで東大の先生が言って
いた事をきっかけにチェルノブイリの記事を何となくサルベージしていました。
現役の長野県松本市の市長さんが間接的ながらチェルノブイリ事故に関与していた
事を知り、ちょっとその事に触れてみます。
長野県松本市の市長は元外科医の菅谷さん。’86のチェルノブイリ事故の後に隣国
であるベラルーシで'96より5年半、原発事故によるがん患者の治療に従事されてい
ました。記憶に微かにあったので、手元の雑誌などを手当たり次第に読み直すと日
経ビジネス4/18号に1頁分ながらインタビュー記事がありました。
氏が言うには甲状腺がんのピークは10年後。既に周知の感がある成人より成長期の
子供への影響が大きいと言う事実が語らていました。だらか大人だけの家庭は水の
買い占めなどバカバカしく(4月はそうでしたね)それほど心配はいらないとも。
ただ、甲状腺がんはがんの中でも致死率は低い物の肺などへの転移は予想範囲であ
り、また手術がうまく行っても首には大きな傷跡が残ると言う心の傷もつけてしま
うと医師としての悲しみを語っておられました。
子供達の親は長かった冬が終って、待ち望んだ春を謳歌し、その4月26日に釣りに
行ったり外でバーベキューを楽しんだり。また、近隣の農家はそれこそ何も知らさ
れずに家畜に野育ちの餌をやったり。その事で自分達を責め続けるとありました。
今でもベラルーシ製のポケット線量計がネットで沢山出回っているのは、この様な
背景がある事を裏付けていると思います。
食の安全を考える時、口から入った放射性物質はやっぱり体内に溜まるのだと言う
のはもはや疑う事の無い、すぐそこにある危機なのですね。
冒頭の東大の教授。「汚染牛の肉を1kg、100日食べないと規制値にはならない。
だから気をつけるのは牛にやる餌だけですよ、、、」これは牛に言っているの?
それともそれを食べる人に言っているの?
私の様な凡庸以下かもしれない脳みそには理解不能でした。
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WARAKADOさん、こんにちは。
いやぁ、食肉汚染は一回なら問題ないのですが、流通させてしまった事が問題ですよね。
甲状腺の被ばくはヨウ素が原因と言われてるので、初期の段階で被爆していると思います。
でも、今回の体内被曝は継続的に続くのと、食べると百%体内に入るので、恐ろしいです。
なぜ、福島さんの食べ物を、すべてチェックしなかったのかと悔やまれます。
危険区域を同心円状に設定する事が問題なんですよね。一番放射性物質が出ている時に、どこ向きに風が吹いていたのか、確認しないとね。
速く福島に、雨が降って、流されていくことを望みます。
投稿: YANBO | 2011年7月16日 (土) 19時49分
松本市長の菅谷氏は、事故後直ぐにヨードを緊急配備して備蓄したそうです。
他県や市民からもビビり過ぎと揶揄されたそうですが、現場を知っていた医師
の、結果論かも知れませんが判断の正しさでしょうね。
例えば、1kgの肉100日で規制量上限でしょうが、100gなら1,000日。たっ
た3年弱です。その間には水や米や野菜、鳥や魚など1ヶ月の平均的な食材全
部の摂取量で判断すべきと思うのですが、常に何かスケープゴートで誤摩化し
ています。直ちに健康に害を及ぼす物ではない、、と言った食材を過去報道か
ら全部集めてみたらいいのでしょう。これ、全部足したらなんぼやと。
いずれにせよ、どこかで腹をくくって生活する必要がでるでしょう。個人の都
合に関係なく。
投稿: warakado | 2011年7月16日 (土) 20時50分